上場の意味 2009 6 13

 日本人の多くは、株式上場を名誉なことだと思っているでしょうが、
上場したことによって、
当然に、厳しいことにも不本意なことにも直面するのです。
 日本の超一流企業は、
経営者も世界トップレベル、社員だって世界トップレベルと言えるでしょう。
 それでも、この度の経済危機で、
世論の批判を浴びても、リストラを進めざるを得なくなったのです。
これが、株式を上場している厳しさでしょう。
 非上場会社ならば、
この度の経済危機は一時的なものと考えて、
安易なリストラは、
会社の長期的な競争力を失わせることになると判断したかもしれません。
 しかし、上場会社は、そんな悠長なことを言ってられません。
株式市場では、決算は四半期で求められ、
投資家からは、赤字になっても、すぐV字回復を求められます。
 これでは、長期経営など、夢のまた夢でしょう。
常に短期で結果を出すことに専念するようになるでしょう。
 このように物事には、必ずメリット・デメリットがあります。
そういうことを冷静に判断する必要があります。
 株式市場に上場するということは、
高校生が、審査に通って大学に入学できたということではありません。
(そういう感覚で上場を考えている人が多いでしょう)
 しかし、株式市場に上場するということは、
大学生が卒業後、いきなり自営業を始めるような厳しさに近いでしょう。
 昔の株式市場は、楽だったのです。
仲のよい企業同士で、株式を持ち合い、うるさい株主など存在しなかったのです。
馴れ合いや仲間意識で、株式市場が運営されていたのです。
 多くの人は、いまだに古き良き時代のことが忘れられなくて、
すぐに安易に株式上場を考えてしまうのです。

















































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